ゴチャせたがやでは、地域で安心して過ごしたり、困ったときに相談したりできる場所を、少しずつ紹介しています。
今回は、世田谷区松原にある「みつけばハウス」を訪問し、尾崎ミオさんにお話を伺いました。
実際に訪れて感じた雰囲気や、どのような方が利用しているのか、どのようなことを大切にしているのかをご紹介します。
【訪問概要】
訪問日:2026年8月8日
訪問先:みつけばハウス
お話を伺った方:尾崎ミオさん
場所:みつけばハウス

「みつけばハウス」ってどんなところ?
みつけばハウスは、発達特性のある方などが、自分の好きなことや興味のあることを大切にしながら過ごせる場所です。
学校や仕事、集団での生活の中では、
「周りに合わせることに疲れる」
「人とうまく話せない」
「何をしたいのか分からない」
「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」
と感じることがあります。
そんなときに、すぐに「もっと頑張ろう」とするのではなく、まず安心して過ごせる場所がある。
みつけばハウスは、そこから始まる場所なのだと感じました。
どんな方が利用できますか?
みつけばハウスは、主に発達特性のある方や、生きづらさを感じている方などが利用しています。
人との関わりが苦手な方。
集団の中で疲れやすい方。
学校や仕事になじめなかった経験がある方。
自分の好きなことや得意なことを見つけたい方。
何をしたいのか、まだよく分からない方。
そうした方が、それぞれのペースで過ごせる場所です。
「発達特性」とは、ものの感じ方や考え方、人との関わり方などに、その人なりの特徴があることを指す言葉です。
診断名だけでは、その人の困りごとや得意なことは分かりません。
そのため、みつけばハウスでは、一人ひとりの違いを大切にしながら関わっていることが伝わってきました。
どんなことができますか?
みつけばハウスでは、絵を描いたり、ものを作ったり、ゲームをしたり、さまざまな体験をしたりできます。
大切なのは、
「これができるようにならなければいけない」
という場所ではないことです。
自分が少し気になること。
やってみたいこと。
好きなこと。
得意なこと。
そうしたものを大切にしています。
いただいた資料には、
「いろいろなことに挑戦するようになった」
「アート作業する機会が増えた」
「趣味の合う人と話せて良かった」
「新しい友達がみつかった」
といった利用者の声も紹介されていました。
最初から大きな目標を決めるのではなく、好きなことや興味のあることをきっかけに、少しずつ世界が広がっていく。
その過程を大切にしている場所だと感じました。
この場所が大切にしていること
みつけばハウスでは、「好きなこと」や「得意なこと」を大切にしています。
苦手なことを直すことだけを目的にするのではなく、
「何なら楽しめるだろう」
「何なら少しやってみたいと思えるだろう」
というところから始めます。
また、みんなと同じように行動することを求めるのではなく、その人に合った過ごし方を大切にしています。
誰かと話したい日もあれば、一人で過ごしたい日もあります。
何かに参加したいときもあれば、ほかの人が活動している様子を見ていたいときもあります。
最初から人とうまく関われなくてもいい。
まず、その場所に安心していられること。
そこから少しずつ、
「これならやってみたい」
「この人とは話してみたい」
という気持ちが生まれることがあります。

同じような経験をした人がいる安心感
みつけばハウスでは、「ピアサポート」も大切にされています。
ピアサポートとは、似たような経験や悩みを持つ人同士が支え合うことです。
自分と似た経験をした人に出会うことで、
「自分だけではなかったんだ」
と思えることがあります。
そして、
「こんな生き方もあるんだ」
「自分にもできることがあるかもしれない」
と感じることが、安心につながる場合もあります。
専門家からアドバイスを受けることとは違う形で、同じような経験をした人だからこそ伝わることがあります。
実際に訪問して感じたこと
今回、実際にみつけばハウスを訪れて、特に印象に残ったことがあります。
それは、利用している方々が、とても自然に過ごしていたことです。
誰かに何かをさせられているような雰囲気ではありませんでした。
それぞれが同じ場所にいながら、自分の興味のあることや好きなことを大切にして過ごしていました。
また、利用している方だけでなく、スタッフの皆さんも生き生きとしている様子が印象的でした。
「支援する人」と「支援される人」とがはっきり分かれているというよりも、一緒に話したり、活動したり、それぞれの好きなことを大切にしたりしている。
その自然な関わり方が、場所全体の安心感につながっているように感じました。
居場所をつくるときには、利用する人だけでなく、そこに関わる人も無理なく、その場所にいられることが大切なのかもしれません。
「次のステップ」を急がない
今回のお話を伺いながら、特に大切だと感じたことがあります。
それは、居場所に来たからといって、
「次は学校へ」
「次はアルバイトへ」
「次は就職へ」
と急がなくてもいい、ということです。
もちろん、本人がやってみたいと思ったときには、その気持ちを応援することができます。
でも、その前に必要な時間がある人もいます。
安心して過ごす。
好きなことを見つける。
人と一緒にいても大丈夫だと感じる。
自分のことを少し話してみる。
一人で外に出てみる。
そうした一つひとつも、大切な変化です。
「人生が変わった」という利用者の声
いただいた資料の中には、利用者の方の印象的な言葉も紹介されていました。
その方は、以前は人と関わることに強い不安を感じ、ほとんど言葉を発することができない時期があったそうです。
みつけばハウスに来ても、最初からうまく話せたわけではありません。
それでも、「失敗しても大丈夫」と思える場所の中で、少しずつさまざまな活動に参加していきました。
すると、言葉を発することへのハードルが少しずつ下がり、人との会話ややり取りも自然にできるようになっていったそうです。
その方は、
「みつけばで人生が変わった」
と振り返っています。
居場所には、人を無理に変えるのではなく、その人自身が少しずつ変わっていくための時間を支える役割があるのだと思います。
本人・ご家族に伝えたいこと
お子さんが学校や仕事に行けなくなったり、家から出ることが少なくなったりすると、ご家族は心配になると思います。
「このままで大丈夫だろうか」
「何とか外に出した方がいいのではないか」
「働けるようにしなければ」
と考えることもあるかもしれません。
もちろん、将来のことを考えることは大切です。
一方で、本人が安心できる場所を見つけることも、とても大切です。
家でもない。
学校でもない。
職場でもない。
支援機関とも少し違う。
「ここなら来てもいいかな」
と思える場所が一つ増える。
それ自体が、大切な一歩なのではないでしょうか。
また、最初から人と話したり、何かの活動に参加したりしなくてもよい場所があります。
まずは、その場所にいるだけでも大丈夫。
そこから少しずつ、自分に合った過ごし方を見つけていくことができます。
ゴチャせたがやとのつながり
今回のみつけばハウス訪問は、ゴチャせたがやの居場所づくりを考えるうえでも、とても参考になりました。
ゴチャせたがやでも、
「何かをしなければいけない場所」
にはしたくないと考えています。
みんなと話さなくても大丈夫です。
ゲームに参加しなくても大丈夫です。
一人で本を読んでいてもいい。
ほかの人がゲームをしているところを眺めていてもいい。
何もしないで過ごしてもいい。
まずは、
「ここにいても大丈夫」
と思えることを大切にしたいと思っています。
そして、いつか本人が、
「ちょっとやってみようかな」
「誰かと話してみようかな」
「アルバイトをしてみようかな」
「働いてみようかな」
と思ったときに、一緒に考える。
こちらから「次はこれをしましょう」と決めるのではなく、その人が希望するタイミングで、その人が希望することを応援する。
今回みつけばハウスを訪問して、その大切さを改めて感じました。
居場所は、一つでなくてもいい
人によって、安心できる場所は違います。
静かに過ごせる場所が合う人。
好きなことができる場所が合う人。
同じような経験をした人と出会える場所が合う人。
誰かと話せる場所が合う人。
いくつかの居場所を持つ人がいてもいいと思います。
だからこそ、地域の中にいろいろな居場所があり、
「自分にはここが合う」
と思える場所を選べることが大切です。
ゴチャせたがやも、その選択肢の一つになれればと思っています。
施設・相談先情報
名称:みつけばハウス
所在地:世田谷区松原
主な対象:発達特性のある方など
内容:居場所、創作活動、ワークショップ、ピアサポートなど
※利用条件、開所時間、相談方法などは変更される場合があります。最新情報は、みつけばハウスの公式ホームページ等をご確認ください。
おわりに
今回お話を聞かせていただいた尾崎ミオさん、そしてみつけばハウスの皆さん、ありがとうございました。
ゴチャせたがやでは、これからも世田谷区やその周辺にある居場所、相談先、支援機関などを実際に訪ねながら紹介していきます。
「こんな場所も紹介してほしい」という情報がありましたら、お気軽にお寄せください。
