~当事者と家族の不安や疑問を一緒に整理するために~
就職活動の中でも、
面接は特に緊張する場面です。
その中で、
発達特性や精神障害、身体障害のある方から、
よく聞かれる悩みがあります。
それは、
「どこまで話せばよいのか分からない」
ということです。
障害のことを話すべきなのか。
過去の失敗を話すべきなのか。
ひきこもりの経験を話すべきなのか。
悩む方は少なくありません。
すべてを話す必要はない
まず知っていただきたいのは、
面接ですべてを話さなければならないわけではない
ということです。
面接は、
これまでの人生をすべて説明する場ではありません。
採用担当者が知りたいのは、
主に、
・どのような仕事ができるか
・どのように働きたいか
・職場で長く働けそうか
ということです。
そのため、
過去の出来事を細かく説明する必要はありません。
隠しすぎることにも注意が必要
一方で、
何も話さない方がよいとも限りません。
例えば、
働く上で配慮が必要なことがある場合、
全く伝えないと、
入社後に困ることがあります。
例えば、
・定期的な通院が必要
・疲れやすい
・指示の出し方に工夫が必要
・静かな環境の方が働きやすい
などです。
職場が何も知らない状態では、
必要な支援や配慮を受けることが難しくなります。
大切なのは「障害名」より「困りごと」
面接で話す際、
障害名だけを説明しても、
相手に伝わりにくいことがあります。
例えば、
「発達障害があります」
と言われても、
職場は何に配慮すればよいか分からない場合があります。
それよりも、
・どんなことが苦手なのか
・どんな配慮があると働きやすいのか
・どのような工夫をしているのか
を説明する方が伝わりやすいことがあります。
過去の失敗も伝え方が大切
面接では、
退職理由や仕事が続かなかった理由を聞かれることがあります。
そのとき、
失敗だけを話してしまうと、
自分自身も苦しくなってしまいます。
例えば、
「人間関係がうまくいきませんでした」
だけで終わるのではなく、
「当時は相談することができませんでしたが、現在は支援機関も利用しながら働き方を考えています」
というように、
今後の工夫や学びも伝えられると印象が変わります。
大切なのは、
失敗そのものではなく、
そこから何を学んだかです。
分からないときは無理に答えなくてもよい
面接では、
予想していなかった質問を受けることがあります。
そのとき、
焦って無理に答えようとすると、
うまく話せなくなることもあります。
分からないことは、
「少し考えさせてください」
と伝えても構いません。
面接は試験ではありません。
完璧な受け答えをする場ではなく、
お互いを知るための場でもあります。
面接は「選ばれる場」だけではない
多くの方が、
面接を
「会社に評価される場」
と考えています。
もちろんその側面もあります。
しかし、
面接は応募者が職場を知る場でもあります。
例えば、
・職場の雰囲気はどうか
・相談しやすそうか
・障害への理解はありそうか
・長く働けそうか
を確認する機会でもあります。
もし面接で不安を感じた場合、
その職場が自分に合っていない可能性もあります。
一人で悩まなくてもよい
ゴチャせたがやの居場所や家族会でも、
・障害をどこまで話すべきか分からない
・ひきこもりの経験を話すべきか迷う
・面接が怖い
・うまく説明できる自信がない
という声を耳にします。
こうした悩みは決して珍しいものではありません。
就労移行支援や支援機関では、
面接練習や伝え方の相談ができる場合もあります。
一人で抱え込まず、
誰かと一緒に整理していくことも大切です。
おわりに
「面接でどこまで話せばよいのか。」
その答えは人によって違います。
しかし、
すべてを話す必要も、
何も話さない必要もありません。
大切なのは、
働く上で必要なことを整理し、
相手に伝わる形で説明することです。
障害名や過去の失敗だけではなく、
自分の困りごとや工夫していること、
働きたい気持ちも伝えていくことが大切です。
面接は、
あなたの価値を決める場ではありません。
あなたと職場がお互いを知るための場です。
焦らなくて大丈夫です。
一歩ずつ準備を進めていきましょう。
ゴチャせたがやでは、ひきこもり状態にある方や発達特性のある方、ご家族が安心して過ごせる居場所や家族会を開催しています。
無理に話さなくても大丈夫です。
聞いているだけでも大丈夫です。
あなたのペースで、一歩ずつ進んでいけば十分です。
今後のシリーズでは、
・空白期間はどう説明すればよいのか
・就労移行支援とはどのような場所か
・働き続けるために大切なこと
・困ったときの相談先
などについても、一緒に考えていきます。

