~当事者と家族の不安や疑問を一緒に整理するために~
ひきこもりや発達特性、精神的な不調について相談を受ける中で、
「まずは就職しなければ」
という言葉をよく耳にします。
本人も、
ご家族も、
支援者も、
就職を大きな目標として考えることがあります。
もちろん、
働くことは大切です。
収入を得ることにもつながります。
社会との接点にもなります。
しかし、
本当に就職だけがゴールなのでしょうか。
就職しても苦しくなることがある
実際には、
就職したからといって、
すべての悩みが解決するわけではありません。
例えば、
・職場で孤立してしまう
・無理をして体調を崩す
・相談できる人がいない
・疲れ切ってしまう
ということもあります。
働き始めた後に苦しくなり、
再び退職してしまう方もいます。
そのため、
「就職すること」だけを目標にしてしまうと、
働き続けることが難しくなる場合があります。
本当に大切なのは「続けられること」
就労支援の現場では、
採用されること以上に、
働き続けられることが大切だと言われています。
例えば、
・無理なく通勤できる
・困ったときに相談できる
・体調を維持できる
・安心して働ける
といったことです。
どれだけ良い会社に就職しても、
心や体が限界になってしまっては長続きしません。
大切なのは、
自分に合った働き方を見つけることです。
就職の前に必要なこともある
人によっては、
就職活動より先に必要なことがあります。
例えば、
・生活リズムを整える
・外出する習慣をつくる
・人と話す機会を増やす
・体調を安定させる
・安心できる居場所を持つ
といったことです。
これらは遠回りに見えるかもしれません。
しかし、
働き続けるための大切な土台になることがあります。
社会とのつながり方は一つではない
社会との関わり方は、
就職だけではありません。
例えば、
・地域活動への参加
・ボランティア活動
・趣味の集まり
・家族会や当事者会
・居場所への参加
などもあります。
こうした活動の中で、
人とのつながりや役割を見つける方もいます。
その経験が自信につながり、
後から就職へ結びつくこともあります。
「役割」は仕事だけではない
多くの方が、
「働いていないと社会の役に立っていない」
と感じてしまいます。
しかし、
役割は仕事だけではありません。
例えば、
・誰かの話を聞く
・家事を手伝う
・地域活動に参加する
・イベントを手伝う
こうしたことも立派な役割です。
誰かに必要とされる経験は、
自己肯定感を取り戻すきっかけになることがあります。
焦りが強いと苦しくなる
周囲を見ると、
同年代の人が働いている。
結婚している。
子育てをしている。
そんな姿が目に入ることがあります。
すると、
「自分だけ遅れている」
と感じてしまうこともあります。
しかし、
人生のペースは人それぞれです。
病気や障害、家庭環境、過去の経験によって、
必要な時間は違います。
だからこそ、
他人の人生と比べるのではなく、
自分のペースで進むことが大切です。
一人で抱え込まなくて大丈夫
ゴチャせたがやの居場所や家族会でも、
・早く就職しなければと焦っている
・働きたいけれど自信がない
・何から始めればよいか分からない
・就職した後が不安
という声を耳にします。
そうした悩みは決して珍しいものではありません。
就職は大切な目標の一つです。
しかし、
人生のすべてではありません。
まずは安心して過ごせる場所を持ち、
少しずつ前へ進むことも大切です。
おわりに
「就職することだけがゴールではない。」
これは、
働かなくてよいという意味ではありません。
就職は大切な目標です。
しかし、
もっと大切なのは、
自分らしく安心して生活できることです。
そのためには、
生活リズムを整えること、
人とのつながりを持つこと、
相談できる場所を見つけることも必要になります。
焦らなくて大丈夫です。
一歩ずつ進んでいけば十分です。
ゴチャせたがやでは、ひきこもり状態にある方や発達特性のある方、ご家族が安心して過ごせる居場所や家族会を開催しています。
無理に話さなくても大丈夫です。
聞いているだけでも大丈夫です。
あなたのペースで、一歩ずつ進んでいけば十分です。
今後のシリーズでは、
・就労移行支援とはどのような場所か
・働き続けるために大切なこと
・相談先をどう見つけるか
・自分らしい働き方とは何か
などについても、一緒に考えていきます。

